2014年6月30日月曜日

蛍 ④

蛍籠逢ひたき人や黄泉国
 
(ほたるかごあひたきひとやよもつくに) 季語: 蛍 (夏)






兼題 「蛍」 投句

とても器用だった父が作った竹籤の蛍籠・・・。西瓜など入れて短夜の命の
光りを楽しんだ想い出が甦る。蛍を愛でながら一献傾けたい叶わぬ夢・・・。




2014年6月29日日曜日

蛍 ③

蛍狩り闇の帳に水匂ふ 


(ほたるがりやみのとばりにみずにほふ)  季語:蛍(夏)


兼題 「蛍」 俳句ポスト投句 選外

  
蛍を探して薄闇のなかを行くのは少しだけ勇気が必要だ。

茫々とした夏草のなかを歩くと、ふっと川水の匂い・・・。  

あ、あそこに青く光っている~!!



2014年6月28日土曜日

蛍 ②

薄闇や一筆書きに蛍翔ぶ


(うすやみやひとふでがきにほたるとぶ)  季語: 蛍 (夏)



兼題 「蛍」 俳句ポスト投句 選外

暮れなずむ夕べ、まるで筆文字を書くように乱れ翔んでいる蛍。

求愛に必死の様子が窺える。

〆切り前夜に慌てて作句。推敲不足の一句でお恥ずかしい・・・。

多作多捨をモットーに。^^;



2014年6月25日水曜日

蛍 ①

武蔵野の蛍遠くにひかりけり 

(むさしののほたるとほくにひかりけり) 季語:蛍(夏)





兼題「蛍」投句 俳句ポスト「人」入選句 



     足場が悪く水際までは行けない多摩川の川原、

暗闇にふと草むらのなかに明滅するひかりをみつけ感動しました。

写真がうまく撮れず、アップしたのは野川の夕方の写真です。^^;


2014年6月24日火曜日

梅雨夕べ

梅雨夕べ翔び去く機灯煌めけり 

(つゆゆふべとびゆくきとうきらめけり)  季語: 梅雨(夏)









  ■展望台デッキより撮影

  妹が上京し、せわしない数日が過ぎた。デッキで見送る夕、さまざまに思いがよぎる。

  時間の制約もあり、もてなしを尽くすことはできないが"一期一会"の余韻を楽しむ・・・。

2014年6月23日月曜日

鴨足草(ゆきのした)

鴨足草ふはりと咲きてはなやげり

(ゆきのしたふはりとさきてはなやげり) 季語: 鴨足草(夏)






鴨足草 花ことばは「切実な愛情」「恋心」

 「鴨足草」は歳時記の傍題で「虎耳草(ゆきのした)」で掲載されており、どちらも名も
 葉の姿形からついた名のようです。そのまま「雪ノ下」とも書き、この場合の「ゆきのし た」の呼び方は雪の下でも葉が青々と鮮やかなことからきているようです。

 この葉は民間治療薬として、蓬などのように揉んで切り傷などの貼り薬としてよく利用 されてきました。花も葉も姿形を楽しめ観賞用としても、また薬用としてもひと鉢は栽培 しておきたいと思います。


2014年6月21日土曜日

夕焼け

恒河沙の夕焼けに我の染まりけり

(ごうがしゃのゆやけにわれのそまりけり)  季語 :夕焼け(夏)





恒河沙 (ガンジス川の砂の意味で、数や量が無数であることのたとえ)

 数十億万年から何度も何度も続いている落日・・・。

多摩川の土手から眺めていると、そのなんでもないような日常の景色がひどく尊く思わ

れる夕。その壮大さに溶け込んでいく私・・・。

2014年6月20日金曜日

五月雨

五月雨の諧調なりしプレリュード


(さみだれのかいてうなりしぷれりゅーど) 季語:五月雨(夏)






五月雨の落下する音を、目を閉じて聞いていると、ショパンの

「雨だれ」のプレリュード(前奏曲)に聞こえてきた・・・。

雨だれってこんなに心に響く音だったとちょっと驚き!


Youtube

2014年6月18日水曜日

青葉風

たちかへる憶ひや小径の青葉風

(たちかへるおもひやこみちのあをばかぜ)  季語:青葉


pålsjö skog




  森のなかの小径を歩くのがとても好き。

 いろいろなことを思いだしてささやかな幸せに浸れる。

  風が四囲の若葉青葉や小枝を揺すりゆくさまは

  さながら緑の舞踏会のよう・・・。

2014年6月17日火曜日

青薔薇


青薔薇匂ひ秘めたる谿深し

(あおさうびにほひひめたるたにふかし) 季語:薔薇(夏)






青い薔薇ではないけれど、ほのかな香りが奥ゆかしいブルームーン。

薄紫の気品・・。花びらが奥深く重なってとても秘密っぽい・・・、大人の薔薇!

今週は兼題投句を忘れていたので「薔薇」で一句・・・。

2014年6月16日月曜日

薔薇


郵便の濡れて届きぬ薔薇の棘  季語:薔薇(夏)

(ゆふびんのぬれてとどきぬばらのとげ)






薔薇の花ことば  (ピンクは上品、気品、淑やか、温かい心)
(黄色は友情、献身、可憐、美しい、爽やか、あなたを恋します)


        以前、住んでいた家は日当たりの関係で門扉の近くに薔薇の鉢を

         ずらりと並べていたので、雨の時は郵便配達の人が大変!

        薔薇も棘が引っかかったりして傷められることもあったっけ・・・。

2014年6月14日土曜日

さみだるる朝は・・・

さみだるる朝餉に瑠璃の玻璃器かな 

(さみだるる あさげにるりの はりきかな) 季語:さみだるる(夏)





 
 どんよりした梅雨空にムシムシした湿気に、気持ちのトーンもダウンしてしまう。

 少しでも気持ちよく過ごしたいと思い、好きな瑠璃色のギヤマンを使って清々しく

 朝食を準備した。

 さっきまでの灰色の鬱陶しい部屋が急に爽やかに晴れ晴れとしてきた。

 色彩は人に心理的に影響を与えることで知られている。

 青は鎮静効果や冷静になれる色でもある。また時間の経過が早く過ぎる、と感じる色

 でもあるらしい。

 かの魯山人は「おもてなし」に「器は料理のきもの」だとして食材が美しく見える食器を

 自らが製作して、皿には料理を絵を描くようにと盛りつけたそうだ。

 毎日いただく食事、素材や料理を活かすためにもできる範囲の工夫をしたいもの・・。


2014年6月13日金曜日

植田②

里山の影映したる植田かな


 (さとやまのかげうつしたるうえだかな) 季語:植田(夏)




  萩に旅した時の植田の景色。このような水田の景色は郷愁を誘う。

  蛙の合唱も懐かしい! 里山の風景美・・・是非、残していきたい。




2014年6月12日木曜日

植田①

萩ゆかば松陰遥か植田かな

(はぎゆかばせういんはろかうゑたかな) 季語:植田(夏)




   上↑ 写真は友人を訪ねて萩(山口)に旅したときの長閑な植田の風景です。
     明治維新で活躍した志士を育てた松下村塾、遥かに吉田松陰を忍びました。

2014年6月10日火曜日

水無月

水無月や水鏡となり川の夕

(みなづきや すいきゃうとなり かわのゆふ) 季語:水無月(夏)




東京都を流れる多摩川支流の野川の風景。

岸辺の風景を映しこんで印象派の絵のよう・・・。

逆に画家たちは、このような自然の芸術を

キャンバスに再現したのだろうな。

すでに夕刻6時に近いのだけど西陽が射してこの明るさ! 

とても癒される静かな風景だ。

2014年6月9日月曜日

風知草


けふ一日ふみ書きませう風知草


(けふひとひ  ふみかきませう  ふうちさう) 季語:風知草





 ■写真は自宅の20年くらい経っている風知草

梅雨入りに入ってから、また九州・四国・関東と大雨になっている。


土砂崩れ、川の氾濫など大きな被害が出ないことを祈りたい・・・。

こんな雨の日は、風の便りが届いている人達にゆっくり手紙をしたため

る良い機会だ。相手が喜びそうな便箋や切手を選ぶ楽しみもある。




2014年6月8日日曜日

日傘

粋芸妓朱き日傘を翳しけり

(いきげいぎあかきひがさをかざしけり) 季語:日傘(夏)







浅草寺の仲見世通りで出会った芸妓さん。この暑さに汗ひとつ見せず
付き人の翳す朱の日傘のなか涼しげに歩いている・・・!粋だねえ!
(この写真は2年前の6月中旬、撮影演習後に偶然、とっさに撮ったものです。^^;)

2014年6月7日土曜日

シャワー③

天照す高天原のシャワーかな


(あまてらすたかまがはらのしゃわーかな) 季語:シャワー(夏)





Forest of Pålsjö       (Sweden)

朝の森に入ると光のシャワー(光芒)が素晴らしく清々しく、身が浄められていくのを感じます。
  まさに天照大神のご光臨のようです。(兼題シャワー投稿句 この光のシャワーではないので当然、選外です。^^;)

  写真は写友が連れて行ってくれた森・・・。感動で魂が震えたのが蘇ってきます! 


2014年6月6日金曜日

愛犬2歳の誕生日

愛犬の二歳を祝ふ芒種かな 

(あいけんのにさいをいわふぼうしゅかな) 季語:芒種(夏)

                 ばんざ~い! ルビー満2歳になりました。^^ ちょっとおすましです。^^


カメラを向けるとこのように目線を外すことが多い。光るのがイヤらしい。なんか目にごみ?

おかあさん、はやく、おやつちょうだい!疲れたよ~。

好きなおもちゃはウサギとミッキー!



お誕生日の特別メニュー。ビーフとこの野菜ケーキ、好物のじゃが芋、チーズ、
枝豆、ブロッコリー、人参、ブルーベリー、です。わーい、完食!^^v

2012年8月29日に我が家にやってきたルビー、市販のフードを食べてくれなくて
無事に成犬できるのかしらと心配続きでした。パピーのしつけ教室ではいつも隅っこ
で固まってばかり・・・弱っぴーで直ぐに下痢をしたり、膀胱炎になったり・・・。

先天的に血小板が少なく血が固まりにくいので避妊手術は命がけでした。
手術後3日はダウンコートのまま、ルビーのペットの傍で添い寝をしたっけ・・・。
遊ぶのが食べることより好きなルビー、今では元気に走り回って他の犬ともよく遊べるように。^^

無事に2歳の誕生日、感慨ひとしおです。^^v



シャワー②

シャワー浴ぶ己が執着放ちけり
(しゃわーあぶおのがしふちゃくはなちけり) 季語: シャワー(夏)
     Princess de  Monaco (1982 France HT)
■写真は都立神代植物園で撮影した薔薇の露

Blue Moon   (1964 Deutschland)
  兼題 シャワー 投句
  シャワーの湯や音は身体の汚れを洗い流すけでなく、なにか執着心のようなものからも解き放ってくれる心地がするときがあって、とっても爽やか!
  ちなみに私の執着しやすいものは、経済とか地位とか財産とかの変化し易いものでなく「完璧な美」を求める心だ。  

 これはいきおい肯定的な生き方ができなくなるとも言える。おおよそ完璧な美というものがこの世にあるのか、も含め、人それぞれの美の価値観も違うだろうし、自分の思う「完璧な美」が完璧とは言えないからだ。

 この世の殆どすべてが実は不完全から成り立っている。茶の湯ではその不完全さを重んじ極意としている。完全だ、不完全だ、のまえに無為無色となりその分別からも離れることなのだろう。

2014年6月5日木曜日

シャワー①

半睡や熱きシャワーに覚醒す


  (はんすいやあつきしゃわーにかくせいす) 季語: シャワー(夏)

             Princess de  Monaco (1982 France HT)  都立神代植物園の薔薇ガーデンにて




  兼題 シャワー 投稿 [並選]入選

  写真は都立神代植物園の薔薇。薔薇の名は「Princess de  Monaco (1982 France HT)」です。
  透き通るような花びらに縁がほんのりピンクに彩られて、とてもエレガントです。
  いかにも王女のような品格が・・・。好きな薔薇のひとつです。

2014年6月4日水曜日

麦によせて④

疾風や穂麦のうねり龍のごと


(しっぷうやほむぎのうねりりゅうのごと) 季語: 麦(夏)





兼題 麦 投稿句 並入選 

        

2014年6月3日火曜日

麦に寄せて③

思はざる悩み晴らすや麦凛々し 

(おもはざるなやみはらすやむぎりりし)  季語: 麦(夏)



谷戸親水公園付近の麦畑 (2014/5月)

2014年6月2日月曜日

麦に寄せて②

麦の濤碧きに向かひ滔滔と
(むぎのなみあおきにむかひたうたうと) 季語:麦(夏)



麦の花ことば 音楽の魅力、裕福                                                       
   麦の濤は碧空と碧海に向かって滔滔と流れていく・・・。外つ国のこのスケールに感動!
   私の心も明るんで、高みへ、高みへと向かっていく。