2014年8月29日金曜日

猿の腰掛 ④ 猿茸

猿茸掴み損なひ川っ淵

(ましらたけ つかみそこなひ かわっぷち) 季語:猿の腰掛(秋)



兼題 [猿の腰掛] 投句


   老大木にまるで空へ伸びた階段のように猿の腰掛を見つけた。ひとつ採ろうとして  駆けよったところ、木の葉や苔に足を取られて川っ淵に滑り落ちた・・!との妄想句。



2014年8月26日火曜日

猿の腰掛 ③ 猿茸

猿茸追ひつさまよふ椈美林


(ましらたけ おひつさまよふ ぶなびりん)  季語:猿の腰掛(秋)





兼題 [猿の腰掛] 投句 


  兼題「猿の腰掛」は7音なので難題でした。

傍題「猿茸(ましらたけ)で詠んでみました。

  写真のこの椈美林はSwedenの南部の小山の途中にあります。

  倒木や朽木も多くあり、猿茸も見かけたのですが

残念ながら写真は撮ってきませんでした。

  今思えば残念!また機会があれば・・・。


  ■8/25は松山市の俳都宣言に、Swedenのラーシュ・ヴァリエ在日大使

          基調講演「世界から見た俳句の世界」をされました!



2014年8月25日月曜日

猿の腰掛 ② 胡孫眼

摂りつきてなほ幾歳ぞ胡孫眼



(とりつきて なほいくとせぞ こそんがん) 季語:猿の腰掛(秋)

武蔵野の森公園



兼題 [猿の腰掛] 投句 (並)入選

   
   
    橡と思われる樹に摂りついたきのこ。比較的新しいもののようでしたがこの先、
   
   何年栄養を摂取しながら生き延びていくのでしょうか・・・。

   季語「猿の腰掛」の傍題[胡孫眼]で詠んでみました。

2014年8月24日日曜日

猿の腰掛 ①

七重八重猿の腰掛け波打てり

(ななへやへ さるのこしかけ なみうてり)   季語:猿の腰掛(秋)




兼題 [猿の腰掛] 俳句ポスト投句 (並)入


老木に、七重八重に寄せる波頭のようなサルノコシカケを見つけました。猿が座るにはちょっと小さいけれど、煎じて飲むにはちょうど良さそう・・・。
この猿の腰掛でがん予防になるとは、真実なのでしょうか?値段が高そうですね。



2014年8月23日土曜日

百日紅

大正浪漫萬翆荘の百日紅

(たいしゃうろまん ばんすいそうの さるすべり) 季語:百日紅(夏)





■愛媛県松山市にある歴史的建造物で松山城の城山の南麓に位置するフランス風の西洋館です。国の指定重要文化財になっています。
第15代松山藩主にあたる久松定謨伯爵の別邸として建てられ、皇族方のお立ち寄りの館とされていました。

■百日紅(さるすべり)秋の季語かと思っていたら、夏でしたね。でも今真っ盛り・・・!




2014年8月22日金曜日

法師蝉 ④

空蝉てふかたちひつそり法師蝉


(うつせみてふ かたちひっそり ほふしぜみ)   季語:法師蝉(秋)
                                                                                                                                                 






空蝉は夏の季語ですが、どうしてもこの句に使いたく季重ね承知で作句。^^;

また破調の六・七・五になっていますが「笑って許して♪」ください。

この空蝉が法師蝉かどうかは定かではないですが、

殻を脱いで新世界に飛び出す蝉たちの

8年越しの必死の命の営みにひどく心打たれた由縁で・・・。




2014年8月19日火曜日

法師蝉 ③

今日限り禁酒決めたり法師蝉

(けふかぎり きんしゅきめたり ほふしぜみ) 季語:法師蝉(秋)
サワー用のグラスに見えるけど実はミネラルウォーター用です。



夏の暑気払いで楽しく飲んだ・・・私は体調のため禁酒です。^^;



■兼題 [法師蝉] 投句(お便りコーナーに掲載) 
夏風邪が胃腸にきてしまって、きりきり痛み「今日を限りにお酒は飲まない」と決心しました!が、いかに・・・。つくづくおーし!つくづくおーし!(つくづく惜~し!) なんちゃって。
この投句が半月以上も前・・・いまだに一滴も飲んでいません。飲めなくなったのかも?


2014年8月18日月曜日

法師蝉 ②

玉響の聲の沈みぬ法師蝉

(たまゆらの こえのしづみぬ ほふしぜみ)  季語:法師蝉(秋)



兼題 [法師蝉] 俳句ポスト投句          ■写真は都立桜が丘公園 (旧多摩聖跡記念館)

雑木林のなかで法師蝉の鳴き声を聞き入っていたが、
ふっとしばらく静かになってしまい、
何か途切れたようで心もとなくなってしまった・・・。

2014年8月17日日曜日

法師蝉 ①

聖跡の森に聞きゐる法師蝉


(せいせきの もりにききゐる ほふしぜみ) 季語:法師蝉 (秋)


兼題 [法師蝉] 俳句ポスト投句 「人」入選


聖跡とは多摩市(東京都)にある歴史的建造物と
起伏の激しい雑木林からなる自然公園です。
旧多摩聖蹟記念館は、明治天皇の当地への行幸を記念して
作られた施設で、天皇・皇后の歌碑も建造されています。


2014年8月6日水曜日

月涼し

ハイウェイの濃青の空を月涼し


(はいうぇいの こあをのそらを つきすずし) 季語:月涼し(夏)








6日の夕方、新宿からの帰宅途中「宵月」があがっている・・。

ハイウェイで車の運転中だったけれどつい惹きつけられる。

一般道に入ってシャッターを切った(18時半頃)。

日中の猛暑を忘れさせてくれるほど空も月もしんと澄んでいた・・・。

夏の月光らしく白々と冴えている。

夏の季語も今日一日を残すのみとなりなんだか寂しい・・・。(8/6記)

2014年8月5日火曜日

葭簾

簾透く露路の青きや夕さるる


(すだれすく ろぢのあおきや ゆふさるる) 季語:簾 (夏)

                               風情のある葭簾(夏の季語)



星岡の露路


8/7結果発表の「俳句ポスト」の兼題「夏深し」は、夏風邪で投句をお休み。
立秋までの夏の季語での作句をいくつか詠んでいた句を転載します。

■写真は茶会(阿佐ヶ谷/星岡)のあと、露路を臨む廊下から撮影。

■「夕(ゆう)さる」の「さる」とは時がやって来るの意で、

夕方になる、夕べになることです。

■露路(ろじ)とは、茶席に入るまえに茶庭と建物の間にある風情ある通路をいいます。



2014年8月4日月曜日

炎天 ③

炎天をさ迷ふ蝶やビルの森

(えんてんを さまよふてふや びるのもり) 季語:炎天(夏)

兼題 [炎天] 投句

      新宿新都心の超高層ビルの通路を、ふらふらふらふらと力なく飛んでいる黒揚羽。
      気温36度はアスファルト路面は65℃位になっている。炎帝からの受難に蝶も
                 形無しのよう・・・。   
      これは「黒揚羽」にこだわったために季重なりを承知で投句し、あえなく没!(笑)

2014年8月3日日曜日

炎天 ②

炎天やレール弐糎膨張す 

(えんてんや れーるにせんち ばうちやうす季語:炎天(夏)



兼題 [炎天] 投句
 炎天下のレール()の線膨張率は熱膨張0.000012だそうです。此処では省きますが公式があり、例えば 50mのレールだと「レール長さ50m、温度40℃」であれば、次のような計算で「0.000012(線膨 張率)*5000*40°=2.4(膨張)になります!スゴイな! ◆(写真は春の長閑な津軽鉄道)

2014年8月2日土曜日

炎天 ①

炎天や狗の亡骸スラム街
 

(えんてんや いぬのなきがら すらむがい) 季語:炎天(夏)

兼題 [炎天] 俳句ポスト 投句  (人)入選

タイに里子がいるので訪ねたスラム街、道端に狗のなきがらや糞などが入り混じって落ちていました。炎天下の子供らの不衛生で劣悪な環境には心底驚愕しました!
さすがにその写真は掲載できず、多摩の夏の夕日にしました。