2014年7月30日水曜日

蓮 ⑤

夕ざりの宝珠の蓮や花扇


(ゆふざりの ほうじゅのはすや はなあふぎ)  季語:蓮(夏)






兼題 [蓮] 投句

   この句は「夕ざり」という茶事に飾られた花扇の主なる花「蓮華」を詠みました。

 花扇(はなおうぎ)とは毎年七夕の日に、近衛家から宮中に献上されているものです。

 それに習い七種の植物に宝珠型の蓮を加えて作った阿佐ヶ谷の「星岡」

 井関先生の手作り花扇が見事です!
 
 七夕の日(旧暦)に催される「夕ざり」という茶事の床荘として花扇がとても雅です。
  (写真がないのが残念ですが・・・)
  夕ざり(夕去りの意)では、席入りが日が沈み始める時間になり、茶事の間は仄暗い手燭で

  照らされた中での茶事のやりとりが行われ、しっとりとした情感があります。


  その仄暗い床に掛けられた花扇に、宝珠型の蓮が輝きを放ち、とても幽玄です・・・。



2014年7月29日火曜日

蓮 ④

風食べた光を食べた蓮の笑み

 (かぜたべた ひかりをたべた はすのえみ) 季語:蓮(夏)






兼題 [蓮] 投句
   
  夏の朝、蓮池を吹きわたる風、朝のひかりを存分に食べて蓮華がひらきゆく・・・

2014年7月28日月曜日

蓮 ③

幽明のあはひに匂ふ蓮華かな

 (いうめいの あはひににほふ れんげかな)  季語:蓮(夏)



兼題 [蓮] 投句

お盆になると供花に「蓮華」を捧げて一人息子の供養をします。聞くところに因ればあの世には香りだけがとどくのだそうです。幽明を異にしていても、ともに清らかな蓮の香を嗅ぎながら未だに幼い子と語りあっています。

2014年7月27日日曜日

蓮 ②

蓮の舟櫂を攫はれ漂へり 

(はすのふね かいをさらはれ ただよへり)  季語:蓮(夏)




兼題 [蓮] 投句

三日間だけ咲いて散り逝くという蓮の花・・・ひらりと水面に降りて幽界へと漂う舟のごとく。
俳句の友人が「櫂は蕊ですね」とコメントくださり、ぴったりと思う。

しばし、蓮の舟で漂う自分を想像・連想・夢想・・・の楽しいひととき・・・



2014年7月25日金曜日

蓮 ①

朝しじま幽けき蓮のふぉんと鳴り 


(あさしじま かそけきはすの ふぉんとなり)  季語:蓮(夏)




兼題 蓮 投句  (人)入選句

写真は町田市の薬師池の蓮、この公園はシーズン中は朝早くから入園できる。

2014年7月15日火曜日

巴里祭

デカダンを卒えたる君と巴里祭

(でかだんをおえたるきみとぱりーさい)  季語:巴里祭(夏)




         本日の7月14日は、日本でいう「巴里祭」の日、フランス革命記念日だ。ルネ=クレール監督の映画
         ≪Quatorze Juillet (7月14日)≫の邦訳名からきている。
         もともと巴里祭りと訳されたのが、巴里祭(ぱりーさい)の方が広まったようだ。

この句は若いころ詩作のノートに書き留めていたもの・・・。14日に別のブログに上げたものを転載した。

2014年7月14日月曜日

川開き ②

双眸に火の華滲む川開 


(さうぼうにひのはなにじむかはびらき) 季語:川開(夏)






兼題 川開 投句 (並)入選  


 2011年、東日本大震災のほかにも何度も津波で被害を被った石巻川・・・。

 1916年に第1回の川開きが開催され今年で91回目となるそうです。被害に遭われた  
 方たちへの、ご冥福とご多幸をいのりつつ・・・。

 映像ではあるけど人々の溢れる涙を見たとき、自然への畏怖の思いと同時に、黙って

 それを受け容れる心を思う時、私の胸に突き上げてくるものがありました。
 この度の兼題「川開き」が与えられなければ美しい花火大会で今年も終わっていたか
 も知れません。俳句ポストでほんとうに色々なことを学ばせて戴いています。



2014年7月13日日曜日

川開き ①

多摩川や光りの瀑布川開き

(たまがはや ひかりのばくふ かはびらき) 季語:川開き






今週の兼題 川開き 投句 (並)入選


 今回の兼題は馴染みが薄く、投句への動機が稀薄でした。が、休まずに投句。

 毎年、恒例の多摩川の川開き・花火大会で、フィナーレの「ナイヤガラの滝」

 (これは季語になってますね!) がとても素晴らしくて、いつも余韻が残ります。

 滝の花火の写真が見つからないので、多摩川の堰の写真をアップしました。

 走っている車の中からの撮影なのでピンがアマ~い、です!^^;



2014年7月12日土曜日

ソーダ水 ④

少女らの光りと陰やソーダ水

(せうぢよらの ひかりとかげや そーだすい) 季語:ソーダ水(夏)



兼題 ソーダ水 投句   (写真は萩市の女子高生 2013年)
疾風怒涛の思春期時代・・・少女らの背にもいろいろな光りと陰を見せながら走り去く・・・
明るくはしゃぐ声、失意に雲る表情のどちらにも似合うソーダ水・・ソーダは青春そのもの?



2014年7月10日木曜日

ソーダ水 ③

ソーダ水蟠る胸けふ晴るる 

(そーだすい わだかまるむね けふはるる)  季語: ソーダ水(夏)



兼題 ソーダ水 投句 選外 (写真はCopenhagenで)

知らないうちに恨みを買っていることがあり、心底驚く。でも、よくよく聞いてみると
軽い嫉妬を持たれていたりする。それが解ると「なーんだ!」と蟠っていたものが
スカーッと溶ける。それにソーダ水の効用も多いにある・・・らしい。

2014年7月9日水曜日

ソーダ水 ②

若き日の美しき追憶青ソーダ 


(わかきひのはしきついおくあおそーだ)  季語:ソーダ水(夏)





 兼題 ソーダ水 投句 選外



 数十年前の生まれ故郷の松山には、ゆったりとして素敵な喫茶店が結構

 あちこちにあった。そのなかでもとくにお気に入りだった「蔦」という店・・・。

 若草色のビロードのような生地のソファ、グリーン、食器も美しいし、重厚な

 雰囲気、ホットケーキ、珈琲も美味。そういえばソーダ水も美味しかった~!

 今もあの店、あるのかなあ・・・。

2014年7月8日火曜日

ソーダ水 ①

ペディキュアもソーダ水もくれなゐに


(べでぃきゅあもそーだすいもくれなゐに) 季語:ソーダ水(夏)





兼題 ソーダ水 俳句ポスト 「人」入選句

  表参道の喫茶店のテラス席に若き美人が脚を組みながらスマホに夢中に・・・。
  赤いソーダ水・・・! 見れば足元は赤いペディキュア、スマホも赤・・。
若さが輝いていました!若さがはちきれる女性の「赤」は、清々しさもあって心から
素敵だなあ、と思います。

「赤=情熱・情念・エネルギッシュ・怒りなどなど」と


いうものから遠ざかりつつある己れへの憐憫句(笑)でもあります。

女性なら解る沈殿している感情かも・・・。




2014年7月7日月曜日

夏安居

夏安居や息は生きなりと思ふ日 

(げあんごやいきはいきなりとおもふひ) 季語:夏安居(夏)

                        安寧相


思惟相


  もう何年も前に成城の耕雲寺に座禅に通っていたとき、ちょうど夏安居の時期で
  
  軽い断食も同時にしていた。人は食べなければ死に至るわけだけど、それ以前に

  「息する」ことが「生きる」ということ、なのだ!と妙にしみじみ思った日があった・・・。

  そのときの気づきの一句。

2014年7月5日土曜日

紫陽花 ④

紫陽花やエーゲ海てふ深き碧

(あぢさゐや えーげかいてふ ふかきあを) 季語:紫陽花 (夏)







兼題 紫陽花 投句 選外
         
         (あぢさゐや えーげかいてふ ふかきをあを・・・と文語表記した「てふ」は「という」の意味。
       
         

神代植物園で紫陽花を夢中になって撮影していたとき、不意に視野に飛び込んできた

ロイヤルブルーの紫陽花に一目惚れ・・・!こんな色があるんだ・・・と、

固唾をのんで見入ってしまった。

ただこれは「額の花」で、季語の紫陽花ではないので投句は季語違いに・・・。



2014年7月4日金曜日

紫陽花 ③

くれなゐの四葩を剪りて想ひ断つ

(くれなゐのよひらをきりておもひたつ) 季語:紫陽花(夏)


兼題 紫陽花 投句 選外 (写真は都立神代植物園)


赤い色から連想するのはやはり「情熱」とか「滾る血」とか・・・。

およそ私が持っている"あの紫陽花"のイメージではない。

それを敢えて詠んでみた。





2014年7月3日木曜日

紫陽花 ②

あぢさゐや蒼紫を襲をり 


(あぢさゐやあをむらさきをかさねをり) 季語: 紫陽花(夏)






兼題 「紫陽花」 投句 選外


着物を襲るように七変化していく紫陽花・・・色彩が変わるごとに美しい。

まるで女性のように年齢に応じた、それぞれの美しさが感じられる・・。

二枚目の写真のように、はじめは蒼色が立ち、その後に淡い紫、そして

匂うような濃紫に変化していく・・・。花は語らずともその姿で訴えている。



2014年7月2日水曜日

紫陽花 ①

風吼えてあぢさゐ乱る崖の家


(かぜほえてあぢさゐみだるがけのいえ) 季語:紫陽花(夏)





兼題 紫陽花 投句 「地」 入選 戴きました!感謝です。^^


5メートル以上もある石垣の住宅に見事な紫陽花が懸垂咲きして

いる。狂風に煽られて花が悲鳴をあげているようで・・・、痛ましい!



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■□ 俳句ポスト選者  夏井いつき先生評 □■



風吼えてあぢさゐ乱る崖の家
Muse
 「風」が吹くのではなく「吼え」ているわけですから、頭の大きい「あぢさゐ」は乱れに乱れているのでしょう。一瞬、小説「嵐が丘」の光景(あれはたしかヒースの花だったと思いますが)を思い浮かべたものですから、下五「崖の家」という措辞が、かの小説とはまた違った不安を掻き立てる効果で迫ってきました。
 あ、そういえば「嵐が丘」の主人公ヒースクリフの名前は、「ヒースの崖」という意味ではなかったかしらん?だとすると、作者Museさんの発想の根っこも、そのあたりにあったのかもしれないなあ。
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2014年7月1日火曜日

白鷺

白鷺や虎視眈眈と水に佇つ

(しらさぎやこしたんたんとみづにたつ) 季語:白鷺(夏)








東京都三鷹市大沢 野川に餌を求めて飛来した白鷺